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2023年3月23日

【株式会社ten様】保育業界変革の肝は、マーケティングとリクルーティング。「手を動かすコンサル」として支援するハイウェルは、心強いパートナー

 

株式会社ハイウェルでは、“多彩な『人財』と進化する『技術』をつなぐ”を企業理念に掲げ、人材不足の課題に直面する企業や技術支援を必要とする企業向けにSES(System Engineer Service)事業、採用支援事業、デジタルプロモーション事業を展開しています。

 

この度支援させていただいたのは、保育事業などを展開する株式会社ten様。福岡に本社を置く同社は、東京でのM&Aに際する採用強化のためハイウェルにご相談いただきました。

 

そこで今回は、ご相談いただいた背景や、どのような支援を実施していったのかについて、株式会社ten 代表取締役 西村淳様と、株式会社ハイウェル 代表取締役 近藤 太、浦畑 千裕が取り組みを振り返りました。

 

株式会社ten 代表取締役 西村淳

1978年3月 熊本県生まれ。

熊本高校卒。九州大学 工学部機械工学科 中退。社員450名、保育園直営15園、受託運営13園、訪問看護1事業所、障がい者のグループホーム5施設の経営者。

事業開発・マーケティングコンサルタント。九州大学在学中に起業。飲食店を経営、当時の地域最年少経営者となる。その後2店舗を経営し、同業種9店舗のコンサルティングに携わる。以降、協同組合、財団法人、フランチャイズ本部の立上げや運営などに参画。過去に飲食店、整骨院、ジビエ、保育園など大小20業種を立ち上げた経験から、事業開発とマーケティングを専門とするハンズオン型コンサルティングを行っている。

 

株式会社ハイウェル代表取締役 近藤太

1999年に多摩大学を卒業後、さくら情報システムに入社後、PwCコンサルティング、ベンチャー企業とIT業界の中でも幅広いレイヤーで経験を積み2007年に株式会社ハイウェル創業。

 

株式会社ハイウェル 浦畑 千裕

新潟大学を卒業後、求人情報誌を発行する企業へ入社し、フリーペーパー・求人メディアの企画営業を経験。その後は求人検索エンジンを中心にアカウントエグゼクティブ、ATS販促、ライター、アライアンス等、応募集客にまつわる複数のポジションを経験。

企業の成長は人=採用が担っていると感じ、より柔軟性高く採用活動の支援ができるよう、株式会社ハイウェルへジョイン。クライアントごとにオーダーメイドのサービスを提供しながら、企業成長を支援している。

 

■マーケティングコンサルを起点に、業界変革に取り組む事業を展開

 

ーまずはじめに、株式会社tenについて教えてください。

 

西村:弊社では時代のニーズに合った保育事業、宿泊事業をはじめ、大企業向けの商品開発やマーケティング企画を展開しています。

 

私は長年事業開発やマーケティングコンサルティングに携わってきました。最近は保育園の引き合いが多く、九州と東京で70園ほどお手伝いしており、受託・直営含め30園ほど運営しています。また、訪問看護ステーションや障害支援のグループホームを6施設運営しています。

 

現在従業員は約450名で、直近1年で250名ほど採用しています。

株式会社ten 代表取締役 西村淳氏

 

ー株式会社tenで働く魅力はどういった点だと考えていますか?

 

西村:一つは、労務環境です。残業をさせない/残業をしなくていい建て付けにしたり、ハラスメントを防ぐ/是正する仕組みを作ったりと、労務環境のホワイト化に取り組んでいます。

 

もう一つは、結婚や出産・育児などライフステージが変化しても辞めなくていい点です。たとえ一度辞めても出戻りOKにしてますし、時短勤務はもちろん、子連れ出社も可能です。また、定年後でも働けます。

 

給料に関しては、年功序列ではなく、チャレンジした人がどんどん上がることを目指しています。

 

また、一般的に保育業界では、男性保育士さんは、年長児を担当することが多く、キャリアとしては中途半端なので責任者になれないことが多いんですね。そういうマイノリティの人たちがちゃんとキャリアを積める環境を整備しています。

 

■ハイウェルの強みは、「量と質」どちらも追求する姿勢

 

ハイウェルに依頼する前は、どのように採用活動をしていましたか?

 

西村:保育業界の人材支援広告や紹介業者さんを使ったり、Indeedを活用したりしていました。Indeedは代理店の方に運用をお願いしていた時期もありましたが、自社内で運用する方針に切り替えました。と言うのも、仕入れ側、つまり人材紹介業者サイドに回りたいと考えたんですね。

 

もともと弊社には「いい保育人材はいませんか?」と依頼が来ていたので、だったら紹介事業や派遣事業を立ち上げたいなと。

 

ただ、そのためには仕入れのノウハウや、PPCやSEOのテストを一緒にできる人材が必要でした。ハイウェルさんと出会ったのは、そのタイミングです。東京でのM&Aに伴い、採用を強化する必要もあったので、依頼させていただきました。

 

ー依頼当初期待していたことはなんですか?

 

西村:応募数を伸ばすことと、応募単価を下げることですね。Indeedの運用を代理店の方にお任せしていた頃は、ただ広告予算を消化しているだけという印象でした。求人情報の原稿もテンプレートのような内容をそのまま掲載していて。

 

そのため、応募数も単価も期待値には満たず、そこをハイウェルさんには実現してほしいと考えていました。

 

ー実際に依頼してみて、どのような印象を抱きましたか?

 

西村:ハイウェルさんはトライアンドエラーをしっかりやってくださるなと感じました。私や現場の人たちへ丁寧にヒアリングをした上で、女性に対しては、「子連れ出勤できます」、年配の方には、「定年後のセカンドキャリアが積めます」、男性に対しては「マネージャー職もあるので、長く働けます」など、ペルソナに合わせた打ち出し方をしてくださいます。

 

以前依頼していた代理店さんは、コンバージョンよりもPVを重視する傾向にありましたが、ハイウェルさんはコンバージョンを上げるために原稿をリライトしたり、メルマガなどの追加提案をしたりするなど試行錯誤して下さっているので、ありがたいですね。

 

■前倒しで目標が達成できた秘訣は、リアリティを持った訴求

 

ー「応募数を伸ばし、応募単価を下げる」を実現するために、どのようなプロセスで取り組みましたか?

 

浦畑いただいた予算と、1人を採用するコストの考えのもとに、「2ヶ月で1名採用」を目標としました。2ヶ月で1名採用するには、ミスマッチや音信不通を除いて10応募必要なので、まずはそれを目指しました。ただ、採用支援をご一緒させていただく場合は、準備や分析に1ヶ月〜2ヶ月ほどいただくケースが多いです。そのため「3ヶ月で1名採用できればいい」というのが通例なので、高い目標だなと内心はヒヤヒヤしていました(笑)。

 

初月は健康診断のようにtenさんのウィークポイントを一緒に見ていきました。また、西村さんはマーケティングに詳しいので、インプレッションやCPCなど競合他社との相違点をお伝えしながら進めるようにしました。

株式会社ハイウェル 浦畑 千裕

 

浦畑原稿を書くにあたっては、「何がtenさんの特徴になるのか?」「求職者が納得する点は何なのか?」を考えました。そして、「企業が運営しているのでしがらみがない」、「残業・持ち帰り仕事が当たり前の業界を変えようと、革新的な取り組みをしている」という点をまずは訴求しましょうと提案しました。

 

実際に掲載してみると、想像以上に応募が来たのでホッとしました(笑)。そこからは、応募に至らなかった人の理由を分析し、次の訴求ポイントを考えるといったPDCAを一緒に取り組ませていただきました。

 

その結果、初月で1名採用するに至りました。

 

ーコンテンツを作成時に意識しているポイントをお聞かせください。

 

浦畑人事の皆さんに志望動機や転職理由、tenさんを知ったきっかけなど、実際のエピソードトークを聞くようにしています。それが一番リアルで、求職者の共感を得ることに繋がるので。その上で、どんなキャリア形成や働き方を希望しているのか、現場の方達の意見や意欲を吸い上げ、それを訴求するためにはどんな表現が良いのか? ということを考えながら作成するようにしています。

 

西村:本当に様々な切り口を試していただいていますよね。

 

例えば病院勤務の看護師で、育児や介護で夜勤に入るのが難しくなった方には、「日勤のみで働ける」という訴求をしていただいています。また、密室での大量調理が主な学校給食や介護食の業者で働いている方には、「保育園の給食は、子どもたちの笑顔が近くで見れるし、食育も同時にできます」というメッセージを打ち出していただいてます。

 

現場のスタッフたちと話したからこそ、これだけのリアリティを持った訴求ができているのだと思います。

 

浦畑ありがとうございます。皆さんとお話しするときは、「言いづらいことも、できるだけ言う」というのを意識しています。例えば、応募以降のフローの部分について、目指したいゴールに至るステップが曖昧だなと感じたので、勝手にフローを何パターンも考えて提案しました。

提案した応募対応フロー

 

西村:こちらが言語化できてないことを整理して、否定や批判せずに柔らかく提案してくれるのは、本当にありがたいですね。ここまで入り込んで改善してくれてるので、もうちょっと値段上げてもいいのかなと思ってるくらいです。

 

近藤:いいんですか!(笑)ありがとうございます!

 

西村:結果を出すことはもちろん、「もらった金額以上の価値を出そう」というのがすごく伝わってくるんですよね。だから満足度も高いし、予算も増やそうと思うし、他社さんの紹介もします。

 

近藤:弊社としては、強みであるコンテンツマーケに加えて、採用プロセスの前工程・後工程部分も一気通貫で支援できたらと考えていたので、そこを評価いただけているのはすごくありがたいです。

株式会社ハイウェル 代表取締役 近藤 太

 

■コンサルに留まらず、現場の業務改善まで提案

 

ー他にハイウェルさんの取り組みで印象に残っているものを教えてください。

 

西村:人事の責任者が「ハイウェルさんって神対応ですね。そこまでやってくれるんですか」と言ってたのが印象的なのですが、本来うちの仕事でしょ、というところまで寄り添ってくれるんですよね。

 

例えば弊社は人事担当者が3人いるんですが、進捗状況をローカル端末でエクセル管理しているので、他の人の業務状況が見えづらいんです。それをハイウェルさんはクラウド上で共有するようにし、「見える化」してくださいました。

 

「見える化」することで、詰まっている人のところにサポートに入りやすくなる。

さらに、「ここがボトルネックなので、こう改善したら楽になりませんか?」といった具合で、その人を否定することなく柔らかく指摘してくれるので、改善に着手するスピードも早くなる。

 

実務もやりながら改善の提案もしていただける、“手を動かすコンサル”みたいな感じですよね。

西村:私自身もコンサル業務を行っていますが、コンサルとオペレーティングの両輪が価値だと思っています。多くのコンサルや代理店は「ここから先は手間がかかるので、あえて踏み込まない」というスタンスですが、現場に入って泥臭いことをするのが大事だと考えています。その結果、ノウハウが溜まって、業務フローが標準化できたり、商品開発に繋がったりします。

 

近藤:確かに現場に入ることで、ボトルネックを解消し得る方法が見つかりますよね。

ただ、現場に介入してほしくないお客様もいるので難しいところではあります。その点、tenさんはそれを良しとしてくださってるので、すごくありがたいですね。

 

西村:ハイウェルさんのことは、いち業者ではなく、パートナーだと思っているので。だからあらゆる情報の共有もしますし、新規ビジネスの話もしますよね。

 

近藤:ちょうど先日、西村社長とコールセンター機能の提供について話しましたよね。

採用マーケティングを行って、ある程度応募が送客できたとしても、それ以降の対応を人事担当者が怠って、採用に繋がらないケースもあります。そこを支援できる商品を作れないかと。

 

西村:人事部を専任で置けるかどうかは収益の問題もありますが、60〜100人規模からと言われています。なので、それに満たないところにコールセンター機能を置いて、応募者対応をするのもいいなと話しましたよね。

 

保育業界のリクルーティングには、ビジネスチャンスがあるんですよね。保育園のスタッフ募集は新卒であれ中途であれ、繋がりが強い学校と保育園の間で送客がなされているのが現状です。しかし、その場合は離職も多いので、もっとオープンにリクルーティングできたらいいなと考えています。

 

競争原理が働くようになれば、保育サービスの質も向上します。結果的にお子様はもちろん、働く人も、保護者の人も幸せになる。だからやはりマーケティングだけでなく、リクルーティングも肝だと思っています。そこを引き続きハイウェルさんにサポートいただけたら嬉しいです。

 

■リクルーティングを科学し、保育業界に携わるすべての人の幸福度を上げる

 

ー今後の展望をお聞かせください。

 

西村:リクルーティングをもっと科学できたら面白いなと思っています。今までの採用を通して知見がたまっているので、ビッグデータを活用したサービス開発はしてみたいですね。

 

例えば、離職率の課題に対して「採用よりリテンションが大事だ」と考える企業も少なくないと思います。しかし、人事・給与面など条件交渉や説得などを試みても、引き戻すのは正直難しいのが実情です。であれば、リテンションよりも前に、採用の段階でミスマッチをなくすための取り組みなどができると良いかなと思っています。

近藤:僕も同意見です。「別れ話と離職は、引き戻しは10%」と聞いたことがあって。確かに、別れ話も離職も意志が固まってから伝えるわけじゃないですか。だから、リテンションしていくというより、その前段階が大事だと思います。

 

西村社長は、保育業界など既得権益が根強い業界の真ん中に経営感覚を入れ、構造や収益モデルの改革に取り組んでいます。その改革は、利用者と働く人の満足度の向上にも繋がるので、本当に素晴らしいなと感じています。ハイウェルとして、これからも社長のビジョンを実現するお手伝いをし続けるのが理想ですね。